May 5, 2010
●「新しい化学」が最初に出来ていたということですが、この曲はどういうきっかけだったんですか?
岩下:「新しい化学」を作ったのは、まだ僕の精神が崩壊する前の時点だったんです。最初の話に戻りますけど、“もっとシンプルにいこう”と思っていた時期で。
●確かに「新しい化学」を聴けばその話はよくわかります。“間の美学”みたいなモノを感じます。
岩下:歌詞もシンプルにしようと。今までの僕の歌詞は“こういうことがありまして、こういう事件が起こりました”みたいな感じなんです。
●ああ~。
岩下:でも「新しい化学」の歌詞は“こういうこと”という状態だけを書いてる。“海は広いな大きいな~♪”っていう歌があるじゃないですか。“月は昇るし~日は沈む~♪”。
●あ、歌い出した。
岩下:“海にお舟を浮かばせて~行ってみたいなよその国~♪”って。この歌は“海”をみんなが知ってるから成り立ってますよね。
●はい。
岩下:「新しい化学」は、要するにその“海”だけを歌ってるんです。
●今までの歌詞はストーリーを書いているけど、「新しい化学」はストーリーでもないと。
岩下:うん。ストーリーではなくて、ただの情景だけを描いてる。
●なるほど。歌詞をそのまま解釈すると、車イスの集団と神戸牛の団体がふわりくるという情景ですね。よくわかんないけど。
岩下:そういう情景はいつも頭の中にポンポン浮かんでて、いつもはそこから世界観を作り上げていくんですけど、この歌詞はそれをそのまま表現してる。だからストレートなんです。
●そういう意味でもシンプルになっていると。
岩下:更に言うなら、この曲で僕は“新しい化学”というモノを定義したんです。“海”というモノと同じように。
●は?
岩下:要するに、僕が今後作る曲では“新しい化学がどうのこうの~”という歌詞を書くことが出来る。“海は広いな大きいな”ということが書けることと同じように。
●ああ~、そういうことか(笑)。アハハハ(笑)。俺が言う“新しい化学”っていうのは、あの歌で歌ってることだぞと。で、今後俺は“新しい化学”って言うけど、あの歌で歌ってることを指しているんだぞと。
岩下:そうそう。
●岩下さんはおもしろいなぁ(笑)。
岩下:そういうことがしたかった。例えば“バシャリャン”という言葉があったとして、お前らは知らんけども“バシャリャン”っていうのはこういうことなんやぞ、ということを1曲で説明して。で、違う曲では“バシャリャンすらも新しい化学になってしまった”とか言えればいいなと。
●はいはい。
岩下:歌詞ってあまりたくさんの言葉が使えないですけど、そういうことを繰り返していけば最終的には2時間半くらいの話も1曲で説明出来る。そういうのが出来ればおもしろいなと。